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- BP (Basic practices: 基本プラクティス)
- WP(Work Products: 作業成果物)
- GP (Ganeric Practices: 共通プラクティス)
- GR(Generic Resources: 共通リソース)
- PA(Process Attributes: プロセス属性)
能力レベル・プロセス属性の関係性と全体像
まずBP、WP、GP、GR及びPAの概要図を下図で示します。
BP (Basic practices: 基本プラクティス)とWP(Work Products: 作業成果物)に関しては能力レベル1(PA1.1)のみに適用される課題であり、それ以上の能力レベル(L2~5)ではGP (Ganeric Practices: 共通プラクティス)とGR(Generic Resources: 共通リソース)が適用されます。
PA(Process Attribute: プロセス属性)とは?
プロセス属性とは、プロセス能力に対して測定項目を提供することで、達成程度(プロセス能力のレベル)の評価を可能にします。ちなみにプロセス属性は、すべてのプロセスへ適用可能です。
簡単に言うと、アセッサー(監査者)が組織の評価・測定を行う際に、組織が持つプロセスの能力を判定する際に使用されます。組織が持つプロセス能力のレベル毎に定義を明確にすることで、アセッサーが組織のプロセスを測定可能とする状態を作り上げていることになります。
プロセス属性は『PA X.Y (X&Y=数字)』で表されます。細かな情報は下記表を参照
能力レベル | プロセス属性 |
0 | ー |
1 | PA1.1:プロセス実施 |
2 | PA1.1:プロセス実施 PA 2.1:実施管理 PA 2.2:作業成果物管理 |
3 | PA1.1:プロセス実施 PA 2.1:実施管理 PA 2.2:作業成果物管理 PA 3.1: プロセス定義 PA 3.2: プロセス展開 |
4 | PA 1.1: プロセス実施 PA 2.1: 実施管理 PA 2.2: 作業成果物管理 PA 3.1: プロセス定義 PA 3.2: プロセス展開 PA 4.1: 定量的分析 PA 4.2: 定量的制御 |
5 | PA 1.1: プロセス実施 PA 2.1: 実施管理 PA 2.2: 作業成果物管理 PA 3.1: プロセス定義 PA 3.2: プロセス展開 PA 4.1: 定量的分析 PA 4.2: 定量的制御 PA 5.1: プロセス革新 |
上記の表からもわかるように、能力レベル1ではPA1.1が求められ『プロセスがしっかりと実施されている』かどうかが確認されます。
レベル2以上も含め整理すると以下の通りです。
レベル1『プロセスがしっかりと実施されている状態か』
レベル2『実施されたものが管理される状態か』
レベル3『プロセスが定義され展開されている状態か』
レベル4『プロセス自体が定量的に分析される状態か』
レベル5『プロセスが改善されている状態か』
レベル2以上は、プロセスが実施されているか否かの確認ではなく、プロセス自体の能力を測定することになります。(例えば、実施された作業成果物を管理する仕組みがあるか?プロセスは定義されて個々に展開される仕組みがあるか?等)
対してレベル1は、プロセス自体がしっかり実施されていることが確認の主軸となります。
ここでいうプロセスは下図で示すプロセスカテゴリーで分けられ、プロセス毎に作成する作業成果物は異なったり、求められる要求が異なります。そのため、レベル1ではプロセス毎に異なるBP (Basic practice: 基本プラクティス)とWP(Work Product: 作業成果物)の確認が行われることになります。
BP (Basic practice: 基本プラクティス)
WP(Work Product: 作業成果物)とは?
上記の説明でBPやWPは、プロセス能力レベル1のみに適用されるものだとお分かりいただけたと思います。またBPやWPは図2のプロセスカテゴリー毎に分けられ定義され、そのプロセスで求められる内容が書かれています。
BPとWPは下記表で示されます。
プロセス |
プロセスID | 各々のプロセスID(例:SUP1) |
プロセス名 | 各々のプロセス名称(例:品質保証) | |
プロセス目的 | プロセスを実行する目的が記載 | |
プロセス成果 | プロセスの目的が達成された際の成果が記載 | |
プロセス |
基本プラクティス(BP) | プロセス目的を達成し、プロセス成果を満足させる ために必要なタスクおよび活動を定義している |
アウトプット成果物(WP) | 各プロセスと関連するアウトプット作業成果物が記載 |
より詳細な情報を知りたい方は、以下のリンクよりASPICEのプロセスモデルを参照いただき、日本語版Page.26以降を確認してください。
Automotive SPICE プロセスモデル (LINK)
GP (Ganeric Practices: 共通プラクティス)
GR(Generic Resources: 共通リソース)とは?
上記の説明でGPやGRは、プロセス能力レベル2以上で適用されるものだとお分かりいただけたと思います。GPやGRはプロセス自体の能力を測定するものでした。
再掲:(例えば、実施された作業成果物を管理する仕組みがあるか?プロセスは定義されて個々に展開される仕組みがあるか?等)
そのため、またBPやWPとは異なり、GPやGRは全てのプロセスに共通する活動が記述されることになります。GP・GRの特徴は以下の通りです。
GP(共通プラクティス)
- 全てのプロセスカテゴリーに当てはまる、共通の活動が記述される
- 『どう、何を実施すべきか』が記述される
- BP(基本プラクティス)で実施されたプロセスを成熟させるために利用される
- 表示形式は【GP X.Y.Z (X&Y&Z=数字) 】で示される
X. Y = プロセス属性のIDと同じ( PA(X.Y) )
Z = 各プロセス属性に振り分けられる連番
GR(共通リソース)
- 『人材やツール、方法論やインフラストラクチャー等』が記述されている
- プロセス属性に関連付けられており、プロセスを実施/運用する際に活用されるもの
となります。
ASPICEについてもっと知りたい方は以下のリンクにアクセスしてください。
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