【誰でも分かる解説!】簡単に作れる|原因究明に用いられるFTAとは?(参考フォーマット付)

品質改善

私が解説します!

ショーン
ショーン

はじめまして。ショーンと申します。Tier1自動車部品メーカーの品質保証部にて某国内カーメーカーの顧客対応をしておりました。今回は誰にでも分かりやすいようにFTAを解説していきます

皆さんはFTAというツールを知っていますか?不具合事象がどのような原因で発生してしまうのか深堀り分析をする手法です。不具合に結びつく潜在的な危険性を把握することで、製品の安全性を担保します。

自動車業界では製品の設計・開発段階で行われる手法で、顧客とFTAレビューを行う場合もありますが、原因がわからない不具合を分析する際にも使われるため、量産後に用いられる場合も多いです。

ソフトウェアが実装されている製品では、一定の条件下のみで不具合が発生する場合もあり、このような場合で原因を探る際にもFTAが使われます。

製品の量産前も量産後も、使われる大切な手法になります!顧客への不具合報告書でも要因調査の結果として、FTAを用いて説明する事が多いですよ。

Fault Tree Analysis』の頭文字をとってFTAといいます。日本語でいうと「故障の木解析」と呼ばれます。

こんな方にオススメの記事

  • 設計部門で働いている方(これから働く方)
  • 顧客の窓口対応等で不具合の報告を行っている方
  • 不具合報告書をよく作成される方
  • 問題の根本原因を探りたい方

FTAのフォーマット

FTAには決まったフォーマットがありません。その企業や設計者が使いやすいフォーマットで作成すれば大丈夫です。一般的なフォーマットには下図のようなものとなります。

ショーン
ショーン

私の経験上、設計段階で作成するFTAと、量産後に作成するFTAでは少しフォーマット(観点)が異なる場合が多いです。今回は両者とも説明をしていきます。

設計段階で用いられることが多いFTA

TOP事象:原因を分析したい事象を記載する(望ましくない事象の定義化)
ORゲート:いずれか1つに要因が存在するときに事象が発生する
ANDゲート:すべての要因が存在するときに事象が発生する
基本事象(〇):これ以上展開ができない基本的な事象

このように、ORゲート(論理和)や ANDゲート(論理積)を用いて悪影響を及ぼしている事象を抽出していきます。また、定量化できる事象は発生率を挿入します。ここの発生率は材料のデータシートや仕様書などからもってくるケースが多いです。

量産後に用いられることが多いFTA

  • 分類1:5M1Eをベースに関係する要因を抽出する
  • 分類2:分類1に属する要因を抽出する(ポイント!)
  • 原因:分類2から考えられる原因を記載する
  • 確認結果:客観的事実を記載する
  • 判定:要因が妥当かどうか判定を行う

量産後は生産現場で5M1Eの観点で原因を探るために使われることが多く、また顧客への報告時にも原因と判定があるとわかりやすいので、上図のようなフォーマットを使われるケースが多いです。

対して、設計・開発段階で行うFTAは、
論理回路(OR/ANDゲート)を用いて要因同士の繋がりを意識して作り上げる傾向があります。また、より専門的な内容が書かれています。(電圧値やソフトウェアの動作など細かな設計値まで落とし込まれています)

FTAの作り方

ショーン
ショーン

ではここから、実際にどのようにFTAを作っていくのか説明します!

STEP1:作成チームの編成

FTAは1人の技術者が作成するものではなく、専門知識を有する方が集まって完成させることが非常に重要です。1人だけではわからなかった原因や要因を、関係者で抽出していくことが作成のポイントとなります。
また、経験やノウハウを持っている方をチームに1人は入れておきましょう。素人のみで作成することは困難な手法です。
 
 

STEP2:事象に結びつく要因を “すべて” 抽出する

ここではあえて “すべて” という言葉を使いました。 “すべて” は難しいのはわかっていますが、すべて挙げきる勢いで取り組みましょう。主観的に『この要因は関係ない』と排除してしまってはいけません。少しでも関係していそうな要因は書き出します。
他人の発言は尊重しましょう。経験がある人も重要な手法ですが、新入社員や素人の人が的を得る発言をしたり、経験則で判断してしまいがちな玄人では考え付かないアイディアを挙げることがあります。
 

STEP3:抽出した要因の調査

要因それぞれに対して、客観的事実を調査します。ここでいう客観的事実というのは『設備のエラー履歴』や『測定結果』など、証拠となるエビデンスを確認します。
 
ここの調査では、主観的な判断ではなく、客観的事実を大切に調査を行いましょう。
 
 

STEP4:判定

事象の原因ではないと判断できる客観的事実が見つかった場合は、判定欄に『〇』を入れます。証拠が不十分であったり、調査においてNGと判定できる事実が見つかった場合は『×』を入れましょう。
 
顧客や企業によって、『〇』と『×』が 逆のバージョンもあるので注意が必要です。
 
 

作成したFTAはFMEAとも照合する

不具合に結びつくような要因を分析したら必ずFMEAと照合を行いましょう。FMEAにその要因が書かれているのかレビューをしておく方が、より良い活動になります。

FTAで抽出した要因がFMEAでは漏れていたりします。
せっかく要因をFTAで把握していたのに、FMEAで漏らすことでリスク管理ができていなかったケースが多いです。FTAの作成者とFMEAの作成者が異なる場合も多いので、しっかりと関係者とはコミュニケーションをとっていきましょう。

まとめ

  • 不具合事象がどのような原因で発生してしまうのか深堀り分析をする手法
  • 設計段階でも量産後でも活用されている手法である
  • 顧客報告時にも要因調査の結果として報告書に記載するケースもある
  • 作成時は発言を尊重し、チーム一丸になって完成させる
  • 調査結果は客観的事実をもとに判定を行う
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