【転職◎ジョブチェン◎】品質保証・品質管理ってどんな仕事?仕事内容を詳しく説明

目次

はじめに

品質保証や品質管理というお仕事はご存知でしょうか?
ものづくりをする上で非常に大切な職種になります。

品質保証も品質管理も、自社の製品を高品質にするよう努めているお仕事の事をいいます。
不具合がなくお客様に満足して使って頂けるよう日々改善を行う業務です。

どちらも転職に有利な職種であり、開発や営業といった他職種へのジョブチェンジもしやすい仕事の1つです。

今回は、その品質に関する業務について、魅力を発信していけたらと思います!

品質保証と品質管理の違いとは?

品質保証も品質管理も、どちらもお客様へ高品質な製品をお届けするために存在しているお仕事ですが、品質保証と品質管理には明確な違いがございます。

品質保証(Quality Assurance)は、
量産前から量産後まで幅広く、様々な部門と連携しながら対応するお仕事です。

それは、購買・設計・製造・生産技術・営業・サービスなどの各業務が要求される品質に見合っていなくては、製品として保証ができないためです。

製品の開発している段階から介入することで、過去に起こした過ちを2度と起こさないように取り組むお仕事をしています。

製品の開発部隊が仕上げてきたものが、本当に不具合が起こる可能性がないのか精査します。

全ての精査が完了し、品質保証部門が「この製品は安全ですよ!」と保証した上で、量産に挑むのですが、万が一、不具合が発生してしまった場合の対応も品質保証部門の業務の一環です。

例えば、クレームの受け答えや、お客様による監査対応の取り纏め、社内の再発防止活動を行ったりします。

「顧客視点」で行うお仕事が品質保証の役割です。

品質管理(Quality Control)は、
主に量産後の品質を高める業務になります。

生産現場で、常に高品質の製品が安定して作られるように管理をするお仕事です。

例えば、昨日作った製品は高品質で、今日作った製品は低品質…
なんて事が起こったら大問題です。

常に一定の品質を作れるように準備や改善をしていくことで、品質の管理に努めます。

万が一不具合が起きた場合は、なぜ不具合品を作り込んでしまったのか、生産作業や工程の中から原因を究明するのもお仕事の一環です。

品質管理は「製造視点」の活動になります。

向いてる人

品質保証や品質管理に向いているのは、どのような人でしょうか。

① コミュニケーションスキルが高い人
品質保証も品質管理も、1人の力で改善する事はできません。営業や生産技術、製造部門や生産管理部門などの、様々な部門の人の力を借りて、品質を高めていきます。

時にはお客様へ説明する必要もあり、初対面でも、どんな人にでもフラットに接する事ができ、適切に物事を伝えるスキル必要です。

② 物事を俯瞰的に見れる人
品質を高めるうえで、何に対して改善すればよいか問題の原因を明確にする必要があります。

物事を俯瞰的に捉え全体像を把握した上で、改善のアプローチを検討できる人が重宝されます。ゼネラリスト思考が必要です。

③ 論理的思考の持ち主
やみくもに改善を試みても無意味なケースが多いです。「○○が起きているから、□□が発生していると推測できるので、△△アクションをとる」といったように、物事を論理立てて考察するスキルが重宝されます。

④ タフなバイタリティ
絶対に諦めないタフなハートの持ち主が重宝されます。時には社内の人に対して指摘をする必要もあるので、会社を良くしたいアツい想いを持っている人が向いています。

品質保証は会社的に高い権限が与えられているケースが多く「品質保証がNOと言ったので “NO”」となる事も多々あります。
発言や判断に責任が伴うこともあるので、自らの意識を強く持つことが大切です。

品質保証の具体的な仕事内容!

 

なんとなくわかったけど具体的に何をするの?

品質を保証するといっても、様々な仕事があります。
具体的に品質保証の方々がどのような仕事をしているのか、私の経験を元にちょっぴりお伝えします!

① 全体の統括(品質の企画部門)

全体の品質に関する情報を管理しています。各部門から上がってくる不具合情報(不具合内容や数量など)を集計して、不具合の状況を随時監視し、経営層等の上位へ報告したりします。

基本的には事務局業務を主としているので、実際の品質改善をしたりはしません。

経験上、この部門でQMS(品質マネジメントシステム)を管理しているケースが多く、ISO9001などの規格に精通している人が多いです。自社の品質マネジメントシステムがあるべき姿になっているのか精査をしたり、状況に合わせ改定を行ったりしています。

また、全社的な品質目標を定めたり、品質に関する取り組みを企画します。

② 開発段階の品質評価

製設計部門が作り上げた製品が正しく動くのか、簡単に壊れたりしないのか、評価を行い品質の保証をする部門です。

設計部門でも評価を行いますが、設計目線での評価になるので、完成前の部分的な試作品を使った評価であったりします。
なので実際にユーザー使う環境下で試験は設計部門ではなく品質評価部門で行うケースが多いです。

例えば、雪国でも使えるか氷点下環境で動作試験をしたり、何回もボタンを押しても壊れないか試験をしたり、実際にユーザーが使う状況を想定して試験を行います。

この厳しい試験を乗り越え、信頼性があると判断された際には、品質保証の上位から「合格」お墨付きが与えられます。

③ 量産後の品質対応

どんなに完璧な企画でも評価でも、製品を作れば必ず不具合生じてしまいます。この不具合の対応をするのが量産後の品質対応部門です。

品質保証部門が、お墨付きを与えた後に世の中に製品が出回るので、出回った後に起きた不具合は品質保証部門の責任でもあります。
この部門の主な仕事は、量産している製品の品質を保証することです。

例えば、顧客からクレームを受けたら状況のヒアリングを行って情報を集めたり、関係部門へ改善の依頼をしたり、改善内容を精査して対策の妥当性があるか判断します。妥当な対策をしていると判断したら、顧客へ報告を行い、顧客が納得するまで対応をします。

私の経験上、この部門に品質保証に関する高い権限があるケースが多いです。

④部品や材料の供給者へ品質指導

製品を構成している材料や部品を供給する会社(サプライヤー)へ指導を行う部門です。
各部品や材料に精通している人が集まり、その部品を会社として認めたり(部品認定)したり、品質目線でサプライヤーの評価をしたり、不具合が発生した場合はサプライヤーへ指導を行います。

時には実際にサプライヤーの会社や工場へ行き、監査を行ったりします。監査の際は品質の関係部門や購買と一緒に行うことが多いです。

細かく部署が別れている会社もあれば、それぞれの仕事を品質保証部として行い、担当者別で業務分担をする会社もあります。

品質管理の具体的な仕事内容!

 

品質管理は生産現場で、高品質の製品が作られるように管理をするお仕事と説明しましたが、製品の製造時に不良品を出さないために管理をおこなうのがメインのお仕事です。

生産現場で行う改善活動を促進することを主としています。
具体的には、「QC7つ道具」などの技法を用いて、製品の不良発生に関する分析、工程の見直しなどを行い、製造プロセスの改善を行います。

 

  • パレート図
    問題の優先順位を可視化し、効率的に改善ができます。
  • 特性要因
    4Mの観点で現象が発生した要因を絞り込んで分析します。
  • グラフ
    データを可視化することで、数値の比較や変化を把握します。
  • ヒストグラム
    可視化することで、データの分布や最大値、ばらつきを把握しやすくします。
  • 散布図
    要因とその結果の相関関係を可視化でき、傾向を把握しやすくします。
  • チェックシート
    決められた項目にデータを記入する表です。抜け・漏れの防止になります。
  • 管理図
    工程の状態を可視化することで、安定した状態を保ち、品質を確保します。

製造に従事する方へ品質的な指導を行ったり、生産視点で原因を究明することも大事なお仕事です。
その他にも、製品の検査データを用いて統計的な処理をして品質の状況を監視したりしています。
もし何らかの異常がありそうと判断できるときは、その異常を収束させるため原因を探ります。

 

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まとめ

  • 品質保証は量産前から介入し、不具合を起こさないように行うお仕事
  • 品質管理は量産後に、生産現場で安定した品質の製品を作るように管理するお仕事
  • 品質証は「顧客視点」 品質管理は「製造視点」
  • 品質保証も品質管理もコミュニケーションスキルが大切で、ゼネラリスト思考が重宝される
  • 品質保証と品質管理は共に連携することで、自社の製品品質を向上させる!

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外資系Tier1メーカーで品質保証をしています。ADAS部品の開発が本業です。

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