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SYS.1で求められることとは?
SYS.1(要件抽出)の目的は、プロダクトおよび/またはサービスのライフサイクルを通じて変化するステークホルダーのニーズや要求を収集・分析・追跡し、合意された要求事項の集合を確立することです。
エンジニアリングプロセス群(V字)の一番上流に位置するプロセスであり、顧客や社内の関連部門といったステークホルダーが何を望んでいるのかを正確に掴み、それを「合意された要求事項」という形に落とし込むことがゴールです。単に要望を聞き取るだけでなく、要求が変化した際にそれを追跡し続けられる状態を作ることまでが範囲に含まれます。
SYS.1で得られる成果
- ステークホルダーとの継続的なコミュニケーションが確立されている
- ステークホルダーの期待が理解され、要求事項が定義・合意されている
- ステークホルダーのニーズから生じる要求事項の変更が分析され、リスク評価・影響管理につなげられている
- ステークホルダー要求事項のステータスが、影響を受ける全ての関係者に対して明確になっている
これらの成果は、そのままBP1~BP4の各基本プラクティスに対応しています。
SYS.1で作成される主な成果物
- 要求事項:合意されたステークホルダー要求事項そのもの
- 要求事項の属性:優先順位付けやステータス管理を支える情報
- 分析結果:要求事項変更の影響・リスク分析の記録
- コミュニケーションエビデンス:ステークホルダーへのヒアリング記録や、ステータスの共有記録
SYS.1の基本プラクティス(Basic Practice)
基本プラクティスに関する詳細な記述はプロセスアセスメントモデルを参照ください。
SYS.1 要件抽出 には合計4つの基本プラクティス(BP1~BP4)が存在します。
SYS.1(要件抽出)の目的は、プロダクトおよび/またはサービスのライフサイクルを通じて変化するステークホルダーのニーズや要求を収集・分析・追跡し、合意された要求事項の集合を確立することである。
SYS.1.BP1
BP1では、ステークホルダーの期待や要求の入手が求められています。
顧客や関連部門などのステークホルダーへ直接ヒアリングを行うことに加え、ステークホルダーが提示する事業提案書や、要求事項のインプットとなるその他の文書をレビューすることで、期待や要求を入手し明確化する必要があります。その際、対象となる動作環境やハードウェア環境についても考慮しなくてはなりません。
なお、どのステークホルダーからその要求が出されたのかを記録しておくことが重要です。これにより、後続のBP2(要求合意)やBP3(変更分析)を実施する際に、誰に確認を取るべきかが明確になり、合意形成や変更影響分析がスムーズに行えるようになります。
SYS.1.BP2
BP2では、要求事項の合意が求められています。
BP1で入手したステークホルダーの期待や要求を、正式な要求事項として文書化しなくてはなりません。そのうえで、顧客・サプライヤ・設計パートナー・外部委託先など、影響を受ける全ての関係者との間で共通の理解を形成し、明示的な合意を取り付ける必要があります。
なお、この合意はフィジビリティスタディ(実現可能性調査)や、コスト・スケジュールへの影響分析の結果に基づいて行われることもあります。単に「要求を集めた」だけでなく、「関係者全員が同じ内容に合意した」という状態まで到達させることがBP2のポイントです。
SYS.1.BP3
BP3では、ステークホルダー要求事項の変更分析が求められています。
一度合意したステークホルダー要求事項に対して、その後加えられた全ての変更を、合意済みの要求事項と突き合わせて分析しなくてはなりません。変更による影響やリスクを評価したうえで、適切な変更管理・是正処置(変更コントロールおよびリスク低減アクション)を開始する必要があります。
要求事項の変更は、技術の変化、ステークホルダーのニーズの変化、法規制の変化など様々な要因から発生し得ます。変更管理の実務そのものはSUP.10(変更依頼管理)と連携して行われることが多く、SYS.1のBP3ではあくまで「ステークホルダー要求の観点から」変更の影響とリスクを分析することが求められています。
SYS.1.BP4
BP4では、要求事項ステータスの伝達が求められています。
影響を受ける全ての関係者が、自らに関わる要求事項が現在どのような状態にあり、どのように扱われているかを把握できるようにし、必要な情報やデータを相互にやり取りできる状態を確保しなくてはなりません。
これは単発の報告ではなく、ステークホルダーが要求事項のライフサイクル全体を通じて継続的に状況を追跡できる、継続的なコミュニケーションの仕組みとして機能する必要があります。



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