【ASPICE】SYS.3 システムアーキテクチャ設計 Basic Practices (BP) とは?基本プラクティスの解説と説明

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目次

SYS.3で求められることとは?

SYS.3(システムアーキテクチャ設計)の目的は、システム要件事項と整合性の取れた、静的側面と動的側面の両方を含む、分析済みのシステムアーキテクチャを確立することです。

SYS.2で分析されたシステム要件事項を、実際に「どのようなシステムエレメントで構成し、それらがどう振る舞い、どう連携するか」という設計情報へと具体化する工程です。設計の妥当性を分析し、量産・保守などの後工程に影響する特殊特性まで洗い出すことが求められます。

SYS.3で得られる成果

  • システムエレメントの振る舞い・インタフェース・関係性・相互作用を含むシステムアーキテクチャが設計されている
  • システムアーキテクチャが定義済みの基準に照らして分析され、特殊特性が識別されている
  • システムアーキテクチャとシステム要件事項との間で、一貫性および双方向のトレーサビリティが確立されている
  • 合意されたシステムアーキテクチャおよび特殊特性が、全ての関係者に伝達されている

SYS.3で作成される主な成果物

  • システムアーキテクチャ:仕様化した静的側面・動的側面をまとめたシステムアーキテクチャの仕様そのもの
  • 分析結果及び特殊特性:技術的分析結果と、そこから導出される特殊特性
  • 一貫性のエビデンス:確立した双方向トレーサビリティの裏付け
  • コミュニケーションエビデンス:関係者と合意した記録と伝達

SYS.3の基本プラクティス(Basic Practice)

SYS.3 システムアーキテクチャ設計 には合計5つの基本プラクティス(BP1~BP5)が存在します。

SYS.3(システムアーキテクチャ設計)の目的は、システム要件事項と整合性の取れた、静的側面と動的側面の両方を含む、分析済みのシステムアーキテクチャを確立することである。

SYS.3.BP1

BP1では、システムアーキテクチャの静的側面の仕様化が求められています。

機能要件・非機能要件それぞれのシステム要件事項に対して、システムアーキテクチャの静的側面、すなわち外部インタフェースや、システムを構成する各システムエレメントとそのインタフェース・関係性を仕様化し、文書化する必要があります。

ここではまず「何によって構成されるか」を明確にすることが目的であり、後述するBP2の「動的側面」とは区別して整理される点がポイントです。

SYS.3.BP2

BP2では、システムアーキテクチャの動的側面の仕様化が求められています。

機能要件・非機能要件のシステム要件事項に対して、システムアーキテクチャの動的側面、各システムエレメントの振る舞いや、複数のシステムモード(動作モード)における相互作用を仕様化し、文書化する必要があります。

たとえば、機械要素の慣性を反映したタイミングチャート、ECUの処理時間、バスシステムにおける信号伝搬時間など、システムエレメント間の相互作用を表現する情報が該当します。単に「何があるか」だけでなく「どう振る舞い、どう連携するか」まで表現することが求められます。

SYS.3.BP3

BP3では、システムアーキテクチャの分析が求められています。

システムアーキテクチャについて、製品ライフサイクル(量産、保守・修理、廃棄など)に関連する技術設計上の観点から分析するとともに、プロジェクトマネジメントにおける見積り作業を支援し、あわせてソフトウェア以外のシステムエレメントに対する特殊特性を導出する必要があります。さらに、そのアーキテクチャ設計上の判断根拠を文書化することも求められます。

分析の観点としては、量産時の製造容易性、既存システムの再利用適合性、システムの入手可能性などが挙げられ、プロトタイプ、シミュレーション、FMEAのような定性分析といった手法が用いられます。設計判断の根拠としては、「実績」「製品プラットフォーム/製品ラインの再利用」「内製or外製の判断」などが例として挙げられます。

なお、プロジェクトの実現可能性評価はMAN.3.BP3、プロジェクト見積りはMAN.3.BP5と関連します。

SYS.3.BP4

BP4では、一貫性の確保および双方向トレーサビリティの確立が求められています。

システムアーキテクチャを構成する各エレメントと、物理的な最終製品の特性・性質を表すシステム要件事項との間で、一貫性を確保するとともに双方向のトレーサビリティを確立する必要があります。

双方向トレーサビリティは、一貫性の担保だけでなく、変更依頼の影響分析や検証カバレッジの証明にも役立ちます。ただし、トレースリンクが存在すること自体は内容としての整合性を保証しない点に注意が必要です。また、物理的な最終製品の特性・性質を直接表さないような非機能要件は、システムアーキテクチャ設計側にトレースされないことがありますが、そうした要求事項も検証の対象からは外れません。

SYS.3.BP5

BP5では、合意されたシステムアーキテクチャの伝達が求められています。

合意済みのシステムアーキテクチャを、BP3で導出した特殊特性も含めて、影響を受ける全ての関係者に伝達する必要があります。

構造・振る舞いだけでなく、量産や品質保証の観点で重要となる特殊特性まで含めて共有することで、後工程(ハードウェア設計・ソフトウェア設計・検証など)の関係者が同じ前提に立って作業を進められるようになります。

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外資系Tier1メーカーで品質保証をしています。ADAS部品の開発が本業です。

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