【IATF16949徹底解説】10.2.6 顧客苦情及び市場不具合の試験・分析|要求事項の解説と解釈

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目次

ISO9001・IATF16949 第10章 改善

ISO9001:2015 10 改善
ISO9001:2015 10.1 一般
ISO9001:2015 10.2 不適合及び是正処置
IATF16949:2016 10.2.3 問題解決
IATF16949:2016 10.2.4 ポカヨケ
IATF16949:2016 10.2.5 補償管理システム
IATF16949:2016 10.2.6 顧客の苦情及び市場不具合の試験・分析
ISO9001:2015 10.3 継続的改善
IATF16949:2016 10.3.1 継続的改善 – 補足

10.2.6 顧客苦情及び市場不具合の試験・分析

IATF16949要求事項のポイントを自分なりにまとめてみました。

顧客より受けるクレーム、市場不具合に対して、リターン品の分析をしなければならない。また、品質問題解における再発防止を徹底するため、問題解決と是正処置を実施しなければならない。

顧客に要求された場合は、実車状態で製品に組み込まれたソフトウェアの分析を行う必要がある。(実車での再現試験やログ・バグの分析など)

このような試験や分析の結果は、顧客及び組織内へ伝達し、ステークホルダーを巻き込んだ調査体制を敷く。

解説(分析及び再発防止の実施)

顧客より受けるクレーム、市場不具合に対して、リターン品の分析をしなければならない。また、品質問題解における再発防止を徹底するため、問題解決と是正処置を実施しなければならない。
顧客より受けるクレームとは、例えば開発中車輌で発生した問題、0kmクレーム(顧客工場で発生した問題)、エンドユーザーからフィードバック等を示します。

もちろん顧客から市場不具合のクレームを受けることもありますが、あえて『顧客クレーム』と『市場不具合』を分けて記載されているのは、顧客からクレームとして上がってこなかった市場で発生している問題に対して、組織が自発的に調査及び是正と再発防止に取り組む狙いがあります

市場で発生している問題を全て顧客が把握することは、実質的に不可能なのでディーラーと組織が直接繋がり市場情報を収集するスキームを構成することがベターです。

 

解説(実車検証)

顧客に要求された場合は、実車状態で製品に組み込まれたソフトウェアの分析を行う必要がある。(実車での再現試験やログ・バグの分析など)
顧客から要求を受けた場合は、実際に部品が自動車に実装された状態での分析を行わなくてはなりません。

これは不具合事象が実車状態でないと再現しないモードもあるためです。実車状態で走行試験等を通して、ソフトウェア分析を行う必要があります。

場合によっては直接ディーラーに行って、エンドユーザーの許可を得たうえで、ユーザーが使用している車両の確認を行うこともあります。

 

解説(調査体制の構築)

このような試験や分析の結果は、顧客及び組織内へ伝達し、ステークホルダーを巻き込んだ調査体制を敷く。
上記のような苦情及び市場不具合を解決するためには、社内外の様々なステークホルダーを巻き込んで調査を進める必要があります。

ハードウェア、ソフトウェアの設計者が両方協力しあって不具合原因の特定に努めるため、社内外の関係者へ情報を正確に伝達する。

IATF16949ではこのようなコミュニケーションに関する要求事項も定められました。

 

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外資系Tier1メーカーで品質保証をしています。ADAS部品の開発が本業です。

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