【IATF16949徹底解説】10.3.1 継続的改善ー補足|要求事項の解説と解釈

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ISO9001・IATF16949 第10章 改善

ISO9001:2015 10 改善
ISO9001:2015 10.1 一般
ISO9001:2015 10.2 不適合及び是正処置
IATF16949:2016 10.2.3 問題解決
IATF16949:2016 10.2.4 ポカヨケ
IATF16949:2016 10.2.5 補償管理システム
IATF16949:2016 10.2.6 顧客の苦情及び市場不具合の試験・分析
ISO9001:2015 10.3 継続的改善
IATF16949:2016 10.3.1 継続的改善 – 補足

10.3.1 継続的改善ー補足

IATF16949要求事項のポイントを自分なりにまとめてみました。

継続的改善及び製造工程の改善を確かに実施するため、組織は文書化したプロセスを構築する必要がある。このプロセスには以下の事項を含める。

①改善活動の『方法、目標、評価指標、有効性判断、文書化した情報(手順書や図面等の各種帳票類)』を明確にする。
②工程のばらつき(例: 各種パラメータ値等を使用したSPC管理)や無駄の削減(例: 改善によるロスコストやロスタイムの削減等)を主とした工程改善の計画
※ 8.5.1.5 TPM総合的生産保全も参照
③リスク分析

注記
上記の継続的改善は、製造工程が統計的に安定した能力を持つことを確認し、かつ製品の特性が測定可能であり顧客要求事項を満たしてから実施されるものである。

解説(継続的改善プロセスの構築)

継続的改善及び製造工程の改善を確かに実施するため、組織は文書化したプロセスを構築する必要がある。このプロセスには以下の事項を含める。
組織は継続的改善活動が例え人が変わろうと、後世でも確実に実施されるようにプロセスを構築し文書化した情報として維持されなければなりません。

この継続的改善の目的は、不具合等が発生した際に行う改善、製造工程でのロス削減が対象範囲となります。

不具合報告書、TPM活動、社内で行う各種活動がスムーズに回るようにフォーマットを作成しこの要求事項に該当する内容を網羅する形に仕上げることが望ましいです。(帳票上、入れざる得ない状況にする)

 

解説(改善活動の明確化)

①改善活動の『方法、目標、評価指標、有効性判断、文書化した情報(手順書や図面等の各種帳票類)』を明確にする。
やみくもに改善活動を実施しても、その効果測定や論理的推論が成り立たなく、本当にその改善が意味を持つものか有効性の判断が出来ない場合が生じます。

こうならないためにも、改善活動のスキーム(大枠)を作り、それに沿った形で進めていきます。

分かりやすい例が、顧客報告書フォーマットや、8Dフォーマットが挙げられます。フォーマットが存在するので、その枠通りに改善(調査)を進めなくてはなりません。

8Dに関しては以下の記事で詳しく説明しています。

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解説(工程改善)

②工程のばらつき(例: 各種パラメータ値等を使用したSPC管理)や無駄の削減(例: 改善によるロスコストやロスタイムの削減等)を主とした工程改善の計画
※ 8.5.1.5 TPM総合的生産保全も参照
継続的改善のスコープには、自社の工程内改善も含まれています。

これは工程内のばらつきや無駄を削減することで、継続的に良い製品を納入し続けることができるためです。

装置内の各種パラメーターや工程能力等の指数を用いて管理し、ばらつき(異常)を早期検知し改善を続けるスキームを構築します。

管理方法で代表的なのがSPC管理があります。これは以下の記事で詳しく説明しているので参照ください。

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解説(リスク分析)

③リスク分析
その他にも継続的改善としてFMEAといったリスク分析を実施するよう求められています。

FMEAに関する記事は以下を参照ください。

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解説(実施タイミング)

注記
上記の継続的改善は、製造工程が統計的に安定した能力を持つことを確認し、かつ製品の特性が測定可能であり顧客要求事項を満たしてから実施されるものである。
上記のような、ばらつきや工程の改善活動は『製造工程が安定』した際と『製品特性が顧客要求事項を満たす』時に適用されます。

要は工程が不安定であったり、まだ顧客要求事項を満たした状態で改善を行っても、それはまだ『継続的』改善に含まれません。

APQPを遂行しPPAPの承認をもらってから(量産以降)も、組織が自発的に改善を続けることが望まれます。

なお、APQP及びPPAPの説明は以下を参照ください。

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外資系Tier1メーカーで品質保証をしています。ADAS部品の開発が本業です。

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