規格 | 項目 | 要求事項 |
ISO9001 :2015 | 4 | 組織の状況 |
ISO9001 :2015 | 4.1 | 組織及びその状況の理解 |
ISO9001 :2015 | 4.2 | 利害関係者のニーズ及び期待の理解 |
ISO9001 :2015 | 4.3 | 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 |
IATF16949 :2016 | 4.3.1 | 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 – 補足 |
IATF16949 :2016 | 4.3.2 | 顧客固有要求事項 |
ISO9001 :2015 | 4.4 | 品質マネジメントシステム及びそのプロセス |
IATF16949 :2016 | 4.4.1.1 | 製品及びプロセスの適合 |
IATF16949 :2016 | 4.4.1.2 | 製品安全 |
4.4.1.1 製品及びプロセスの適合
当該項目の、IATF16949要求事項のポイントを自分なりにまとめてみました。
用語の解説
ISO9001での第4章は、品質マネジメントシステムを作成する場合の条件を示しており、品質マネジメントシステム及びそのプロセスに対する一般的な要求事項として設定された内容になります。
ISO9001 第4章では、組織の利害関係者を明確にし、組織が作り出した製品やサービスが顧客の要求事項や法令に適合するよう要求されています。
IATF16949:2016は この強化版となり、製品やサービス以外にも『サービス部品及びアウトソース』を含めて、同じように管理しなくてはならないと要求しています。
ここでいうサービス部品とアウトソースについて、説明します。
サービス部品
一般的に自動車部品メーカーは、自社の製品を完成車メーカーの工場へ納めます。
そこで車輌に製品が取り付けられ、完成した自動車を工場からディーラーに送られ、皆さんの手元に届きますが、このような部品をライン品とかFOP(ファクトリーオプション)とかと呼びます。
対してサービス部品は事故車両の修理用部品として販売するものになり、ディーラーからオーダーがかかって、自動車部品メーカーが販売する製品です。(俗にいう補修パーツです。)
このサービス部品は顧客によって20年製造できる環境を整えなさいとか個別に要求を受けるのですが、このサービス部品に対しても顧客、法令、規制の要求事項に適合するよう要求しています。
アウトソース
アウトソースは『業務を外部委託すること』を示しています。
自動車部品メーカーには一部生産プロセスを外部に委託したり、製品の設計を外部に委託したりするケースがあります。依頼元である組織が責任をもち、外部のプロセスに対して組織と同じ管理体制を求めるよう要求している形になります。
IATF16949:2016は、外部委託(=サプライヤ管理)が非常に強化されている要求規格になりますので、覚えておいてください。
なお補足になりますが、
『8.4.2.2 法令・規制要求事項』は、外部組織から購入した製品やプロセス・サービスが、受入国や出荷国及び顧客に指定された仕向国の法令や規制要求事項が存在すれば、適合することを確実にするよう要求している項目になります。
4.4.1.2 製品安全
当該項目の、IATF16949要求事項のポイントを自分なりにまとめてみました。
組織は、製品安全に関係する製品及び製造工程の運用管理方法を規定した文書化したプロセスをもたなければならない。
該当する場合には、必ず以下の事項を含めなければなりませんが、それに限定されません。
① 法令等の規制に関係する、製品安全に影響を及ぼすような要求事項を確認し、組織は特定しなければならない。
② ①における要求事項の顧客からの通知に従う必要がある
③ 設計FMEAは特別承認を取らなくてはならない
④ 製品安全に関係する品質特性を組織は特定しなくてはならない
⑤ 組織は、安全に関係する製品の品質特性及び製造時点の品質特性を管理しなければならない
⑥ コントロールプランと工程FMEAは特別承認を取らなくてはならない
⑦ 組織は、対応計画を定め運用しなければならない
⑧ 定められた責任を明確にして、トップマネジメントを含めた上申プロセス及び情報フローを明確に規定する。その規定には、顧客への通知プロセスを含めなければならない
⑨ 製品安全に関係する製品及び関係する製造工程に携わる要因に対しては、組織または顧客によって定められた教育訓練を行う必要がある
⑩ 製品又は工程の変更前に、組織は製品安全に関する潜在的影響の評価を含めて、変更の実施前にその評価結果を承認しなければならない
⑪ 顧客指定の供給者を含む、サプライチェーン全体にわたって製品安全に関する要求事項の連絡をしなければならない
⑫ サプライチェーン全体にわたって、(最低限)製造ロット単位での製品トレーサビリティを要求し実施しなければならない
⑬ 新製品を開発する際には、学んだ教訓を取り入れ、製品安全に努めなくてはならない
(注)
特別承認は、安全に関係する文書を承認する責任のある機能(通常は顧客)による追加の承認のことを示します
解説(概要)
製品安全の定義として『顧客に危害、危険を与えないことを確実にする、製品の設計及び製造に関する規範』と定められています。
従来、製品安全の概念は、品質の概念とと一部異なるものと捉えていました。
製品安全は、設計思想のことを示し利用していてユーザーに危害が及ばないよう安全性のある製品を作り上げることを示していますが、IATF16949:2016 では、製品安全の概念を品質マネジメントシステムの一部として取り込まれました。

取り込まれた背景として、運転支援技術の高度化に伴い、高い品質の製品が求められるようになっていいます。万が一、不具合でこのような運転支援技術が機能しなくなった場合は人命に関わる品質問題へとつながってしまうためです。
では、『安全』はどこまで考えればよいかになりますが、
ISO/IEC Guide51(安全規格を策定する際の基準となるガイドライン)では、
『安全とは受容できないリスクがないこと』『許容可能となるリスクとは、社会における現時点での評価に基づいた状況下で受け入れられるリスク』
と定義されています。
解説( “それに限定されない” の意味)
解説(法令・規制について)
組織は設計・開発段階において、製品自体の情報(仕様、性能など)に加えて、その製品に適用される法令や強制規格などの情報を収集し、分析する必要があります。
私が所属していた会社には存在しなかったのですが、
自動車メーカーから市場調査(法令などの)を専門で行う部門を新設する助言(要求?)を頂いた経験があります。
(完全な部門としては実現しませんでしたが…)
解説(顧客の通知)
解説(特別承認)
特別承認は、安全に関係する文書を承認する責任のある機能(通常は顧客)による追加の承認のことを示します
解説(品質特性)
解説(特性の管理)
解説(対応計画)
解説(顧客通知)
「組織内のある問題に対して、適切な要員がその状況に対応し、解決策を監視できるよう、その問題を指摘する又は打ち上げられる為に用いられるプロセス」
です。
解説(教育訓練)
解説(事前の承認)
変更の前に分析する必要があります。
一般的にはFMEAを行うケースが多いですが、顧客から指定の分析・評価方法がある場合は、それに従います。
実施する前に、分析・評価の社内レビューを行い承認をし、顧客承認を受領後に変更を行います。
解説(供給者管理とトレサビリティ)
解説(学んだ教訓)
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