【IATF16949徹底解説】9.2.2.3 製造工程監査|要求事項の解説と解釈

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ISO9001・IATF16949 第9章 パフォーマンス評価

ISO9001:2015 9 パフォーマンス評価
ISO9001:2015 9.1 監視、測定、分析及び評価
ISO9001:2015 9.1.1 一般
IATF16949:2016 9.1.1.1 製造工程の管理及び測定
IATF16949:2016 9.1.1.2 統計的ツールの特定
IATF16949:2016 9.1.1.3 統計的概念の適用
ISO9001:2015 9.2 顧客満足
IATF16949:2016 9.1.2.1 顧客満足 – 補足
ISO9001:2015 9.1.3 分析及び評価
ISO9001:2015 9.2 内部監査
IATF16949:2016 9.2.1 及び 9.2.2 9.2.1 及び 9.2.2
IATF16949:2016 9.2.2.1 内部監査プログラム
IATF16949:2016 9.2.2.2 品質マネジメントシステム監査
IATF16949:2016 9.2.2.3 製造工程監査
IATF16949:2016 9.2.2.4 製品監査
ISO9001:2015 9.3 マネジメントレビュー
ISO9001:2015 9.3.1 一般
IATF16949:2016 9.3.1.1 マネジメントレビュー – 補足
ISO9001:2015 9.3.2 マネジメントレビューへのインプット
IATF16949:2016 9.3.2.1 マネジメントレビューへのインプット – 補足
ISO9001:2015 9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット
IATF16949:2016 9.3.3.1 マネジメントレビューからのアウトプット – 補足

9.2.2.3 製造工程監査

IATF16949要求事項のポイントを自分なりにまとめてみました。

組織は、製造工程の有効性及び効率性を判定するために3年周期の間(例えば2020年1月1日〜2022年12月31日までの期間をいう)に全ての製造工程監査を実施しなければいけない。その監査方法は、顧客固有の監査方法の要求事項がある場合はそれに従う。
顧客によって固有要求事項が定められていない場合は、組織は独自で監査方法を決定しなければならない。

個別の各監査計画で、各製造工程におけるシフト引継ぎ(例えば、日勤から夜勤といった)の適切なサンプリングを行い監査しなければならない。

製造工程監査には、工程リスク分析(例えば、PFMEAといった)やコントロールプラン及び関連文書が効果的に実施されているのか監査しなければならない。

はじめに

要求事項では「有効性」と「効率性」という内容が記載されています。

これらの考え方として、単純に製造工程のアウトプットだけが問題なければ良いというわけではなく、例えば生産設備の管理や生産数量、納期パフォーマンスといった多角的な視点で製造工程の監査を行うことが求められます。

なお、作業者の教育実施有無や、教育通りの手順で行っているか否かなど、技能の習熟度に関しても監査する必要があります。

解説(監査概要)

組織は、製造工程の有効性及び効率性を判定するために3年周期の間(例えば2020年1月1日〜2022年12月31日までの期間をいう)に全ての製造工程監査を実施しなければいけない。その監査方法は、顧客固有の監査方法の要求事項がある場合はそれに従う。
顧客によって固有要求事項が定められていない場合は、組織は独自で監査方法を決定しなければならない。
要求事項に「効率」と「3年周期間で全工程監査」という内容が追加されました。

また、顧客固有要求事項を順守する旨も記載され、監査方法を顧客が求める通りに実行しなくてはなりません。

しかし、顧客固有要求事項に監査方法に関する要求がない場合は、組織が独自に定めた監査方法が適用されるので、組織はその監査方法をあらかじめ定める必要があります。

 

解説(シフト監査)

個別の各監査計画で、各製造工程におけるシフト引継ぎ(例えば、日勤から夜勤といった)の適切なサンプリングを行い監査しなければならない。
一般的な製造業ではシフト制を採用されている企業がほとんどかと思います。

このシフトの入れ代わりの際(例えば、日勤から夜勤への引継ぎといった)に、仕掛りやメンテナンスがしっかりと引き継がれずに不良を作り込んでしまうケースが多いため、IATF16949ではこのシフト引継ぎの際の監査を実施するよう要求をされています。

監査はサンプリングによる監査を要求しており、監査時は実際に製造部門の従業員に引継ぎ作業を行うよう依頼し、作業内容がコントロールプランや作業指示書へ適合しているのか確認を行います。

 

解説(関連文書との適合)

製造工程監査には、工程リスク分析(例えば、PFMEAといった)やコントロールプラン及び関連文書が効果的に実施されているのか監査しなければならない。
PFMEAの有効性を検証することが追加されています。PFMEAのようなリスク分析や、コントロールプラン、生産関連文書がしっかりと実施されているのか(文書類の有効性)製造工程監査の際に確認しなくてはなりません。

FMEA及びコントロールプランは以下記事でご紹介しています。

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外資系Tier1メーカーで品質保証をしています。ADAS部品の開発が本業です。

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