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目次
ISO9001・IATF16949 第9章 パフォーマンス評価
ISO9001:2015 |
9 |
パフォーマンス評価 |
ISO9001:2015 |
9.1 |
監視、測定、分析及び評価 |
ISO9001:2015 |
9.1.1 |
一般 |
IATF16949:2016 |
9.1.1.1 |
製造工程の管理及び測定 |
IATF16949:2016 |
9.1.1.2 |
統計的ツールの特定 |
IATF16949:2016 |
9.1.1.3 |
統計的概念の適用 |
ISO9001:2015 |
9.2 |
顧客満足 |
IATF16949:2016 |
9.1.2.1 |
顧客満足 – 補足 |
ISO9001:2015 |
9.1.3 |
分析及び評価 |
ISO9001:2015 |
9.2 |
内部監査 |
IATF16949:2016 |
9.2.1 及び 9.2.2 |
9.2.1 及び 9.2.2 |
IATF16949:2016 |
9.2.2.1 |
内部監査プログラム |
IATF16949:2016 |
9.2.2.2 |
品質マネジメントシステム監査 |
IATF16949:2016 |
9.2.2.3 |
製造工程監査 |
IATF16949:2016 |
9.2.2.4 |
製品監査 |
ISO9001:2015 |
9.3 |
マネジメントレビュー |
ISO9001:2015 |
9.3.1 |
一般 |
IATF16949:2016 |
9.3.1.1 |
マネジメントレビュー – 補足 |
ISO9001:2015 |
9.3.2 |
マネジメントレビューへのインプット |
IATF16949:2016 |
9.3.2.1 |
マネジメントレビューへのインプット – 補足 |
ISO9001:2015 |
9.3.3 |
マネジメントレビューからのアウトプット |
IATF16949:2016 |
9.3.3.1 |
マネジメントレビューからのアウトプット – 補足 |
9.1.1.1 製造工程の監視及び測定
IATF16949要求事項のポイントを自分なりにまとめてみました。
組織は、すべての新しい製造工程に対して、工程能力を検証し、
特殊特性の管理を含んだ工程管理を行うための情報を提供するため
に、工程調査を実施する必要がある。
注記
製造工程によっては、工程能力の評価で要求事項への適合性を実証できない場合がある。それらの工程においては、仕様書への適合のような代替方法を用いても良い。
組織は、顧客の部品承認プロセスで要求されている製造工程能力(Cpk)/製造工程性能(Ppk)の結果を維持しなければならない。
組織は、工程フロー図、PFMEA、コントロールプランが実施されることを確認しなければならない。これらには、次の事項を含める。
①測定手法
②抜取計画
③合否判定基準
④変数データに対する、実際の測定値/試験結果の記録
⑤判定基準を満たさない場合の、処置及び情報のエスカレーション手順(対応計画)
持工具の変更や、機械の修理といった重大な出来事は、文書化された情報として記録を保持しなければならない。
組織は、統計的に工程が能力不足/不安定と判断された際は、コントロールプランに記載された対応計画に従い仕様への適合を確実にしなければならない。
対応計画には、必要に応じてコンテインメント及び全数再検査を含めなければならない。
工程が安定し、統計的に能力をもつため、特定の処置、時期、責任者を定めた是正処置計画を策定し、実施しなければならない。
この計画は、顧客から要求がある場合、一緒にレビューし、承認を受けなければならない。
組織は、工程変更の実行した日付を含んだ記録を維持しなければならない。
はじめに
工程の維持や管理を行うための要求事項が追加されました。IATF16949のコアツールを含め、変更管理から幅広く工程の管理に関する要求事項が定められています。
この集約された要求事項を徹底することで、ばらつきや変動の少ない工程を維持し、品質の安定性を確実にすることが狙いとなります。
解説(工程調査の実施)
組織は、すべての新しい製造工程に対して、工程能力を検証し、特殊特性の管理を含んだ工程管理を行うための情報を提供するために、工程調査を実施する必要がある。
新規の製造工程を設計する際に、
工程能力を検証することが要求されており、
品質計画などで工程能力の評価を計画する必要があります。
誰がいつ行い、
結果は何だったのか記録を残せる仕組みを確立することが必要です
。
また、特殊特性の管理を徹底するために、コントロールプランというツールを使用します。要求事項を読むに、特殊特性の管理を行うためのインプット情報として工程調査が要求されているように解釈できます。コントロールプランの作成には、試作工程含め、工程を調査した結果をインプット情報に含め、コントロールプランの作成を行うことが望ましいと解釈できるでしょう。
APQP(先行製品品質計画)にて、各フェーズにおけるインプット・アウトプットが明確に定められておりますが、こちらも参考になるかと思います。
解説(代替方法の適用)
注記
製造工程によっては、工程能力の評価で要求事項への適合性を実証できない場合がある。それらの工程においては、仕様書への適合のような代替方法を用いても良い。
基本的に工程能力不足の場合は、原因を調査/特定し、
是正したうえで満足な工程能力を得られるまで繰り返します。
しかしながら、満足に工程能力を得ることができない場合は、全数再検査で仕様への適合を検証したうえで、出荷可能とするといった対応を例外で認められることが明記されていました。
これは、製造工程の開発遅延などにより、プロジェクト全体が遅延しないための救済処置となります。
解説(Cpk/Ppkの結果維持)
組織は、顧客の部品承認プロセスで要求されている製造工程能力(Cpk)/製造工程性能(Ppk)の結果を維持しなければならない。
PPAP(量産製品承認プロセス)にて要求される、
CpkやPpkの検証結果を維持することが要求されています。
以下の記事も参考になると思いますので、ご確認ください。
解説(関連帳票作成と含める情報)
組織は、工程フロー図、PFMEA、コントロールプランが実施されることを確認しなければならない。これらには、次の事項を含める。
①測定手法
②抜取計画
③合否判定基準
④変数データに対する、実際の測定値/試験結果の記録
⑤判定基準を満たさない場合の、処置及び情報のエスカレーション手順(対応計画)
工程管理を徹底するためには、各種パラメータ、合否判定基準、
検査手法、頻度、設備点検とチェックなどが必要となってきます。
これらは、標準作業指示書などの手順書や、検査規格値、設備点検指示書や点検状態を確認するためのチェックシートなどに落とし込まれ、製造現場で運用されることとなります。
これらの現場で使用される帳票は、工程フロー図やPFMEA、コントロールプランといった開発に近しい段階で作成されるリスク分析等を目的としたツールを元に作成されるため、要求事項であげられたツールは、非常に重要な役割を担います。
そして要求事項には、ここであげられたツールに含めなければならない項目が記載されています。
基本的には、コントロールプランにて管理される項目が記載されていますが、コントロールプランでは非常に概要的な内容しか記載できません。
上記のFMEAやコントロールプランで検討され、記載された内容が、現場で使用される手順書まで、落とし込まれているのか、全体の連鎖性を確認することが重要となります。
また、これらの要求事項を理解するには、以下の記事も参考になるかと思います。
解説(変更記録)
持工具の変更や、機械の修理といった重大な出来事は、文書化された情報として記録を保持しなければならない。
工程を適切に管理するには、
変更に関する情報も文書化してトレースができる状態にしておかな
ければならないです。
変更に関する要求事項は、以下で詳細にまとめているので参考にしてください。
解説(工程能力不足時の対応)
組織は、統計的に工程が能力不足/不安定と判断された際は、コントロールプランに記載された対応計画に従い仕様への適合を確実にしなければならない。
対応計画には、
必要に応じてコンテインメント及び全数再検査を含めなければなら
ない。
工程能力が不足している際は、コントロールプランに記載されている対応計画に従い、対応を行うことが要求されています。
また、この計画には仕様への適合のために、コンテインメント(封じ込め)及び全数検査を含めることが求められています。
解説(是正処置計画の策定)
工程が安定し、統計的に能力をもつため、特定の処置、時期、責任者を定めた是正処置計画を策定し、実施しなければならない。
この計画は、顧客から要求がある場合、一緒にレビューし、承認を受けなければならない。
製品や工程の能力不足の際には、是正処置計画を定め、
運用することが求められています。
これはコントロールプランに書かれ、
運用されることが望ましいです。
顧客から要求がある場合は、レビューし承認を得る必要があります。
解説(記録の保持)
組織は、工程変更の実行した日付を含んだ記録を維持しなければならない。
工程変更を行った際は、
実施日を含む記録を残すことが要求されています。
要求事項には書かれていませんが、一般的には、変更内容やトレーサビリティ情報、顧客承認日等も同じく記録に残すことが望ましいです。
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