【IATF16949徹底解説】8.7.1.6 顧客への通知｜要求事項の解説と解釈

工場で不適合を検出した際、不具合の事象や原因、生産状況など、広い視点や情報から、不具合の波及範囲を特定し、顧客への流出可能性の可否を判断しなくてはなりません。

もし、顧客へ不適合品を出荷してしまった懸念がある場合、その事実を顧客へ伝達する必要があります。

また、顧客より要求があったり、組織独自の判断で暫定処置（選別などの封じ込め）を行い、流出防止に取り組みます。

 

流出の可能性を顧客へ通知して終わりではなく、通知した後も、不具合報告を行うように要求されています。

報告書のフォーマットは、顧客の品質マニュアルなどに、所定のフォーマットが用意されているので、そちらを参考にしてください。

顧客視点で見てみると、組込みが終わった車輌に処置（モータープール選別のような）をしたり、顧客の生産ラインで検出できない問題で、既にエンドユーザーへ車輌が手渡ってしまっている可能性も考えられ、顧客が適切な判断を下せるような内容で、顧客に報告する必要があります。

報告書には、不具合の発生数、事象の内容、波及範囲、不具合発生場所、日付などの事実確認。根本原因の解析、原因の特定、対策内容、なぜなぜ分析、再発防止などを記入していきます。

大きな問題になればなるほど、市場処置に与えるインパクトは大きくなり、迅速な対応が求められます。

全て報告書が完成してから提出ではなく、こまめに顧客とコミュニケーションを取りながら、情報をアップデートしていく必要があります。

なお、上記で出てきた『なぜなぜ分析』に関して、また不具合報告書で『8D』と呼ばれる形式があるので、それらについて以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。